自分をご機嫌にするヒント

人生にはデコボコがつきもの。自分をご機嫌にする方法を見つけて、楽しく生きるヒントをご紹介。

ハリネズミの距離

他人の心に土足で踏み込まない

 

二匹のハリネズミ

 

痛い体験をして初めて実感すること、人生の中には沢山あります。

 

20代前半のころ、人との距離感を見誤ったことがあります。そのせいで大切な友を失いました。信頼、絆、人生を共に歩む友、お互いにそう信じていた仲でした。

 

でも少しのすれ違いが、大きな亀裂を生んでしまいました。誰しも触れられたくないこと、人には知られたくない秘密があります。それが心友だったとしても。いやむしろ心友だからこそ、見せたくない部分だったでしょう。

 

そのときの私は傲慢で、友だちを救えると勝手に思い込んでいました。相手が望んでいないのに、救いの手を差し伸べた気でいたんです。

 

友人は助けてほしかったわけではない。
窮地を救ってほしかったわけではない。

 

今ならわかります。

 

何かをしてくれるから友だちなんじゃない。
何かを与えてくれるから一緒にいるんじゃない。

ただ、傍にいるだけで良かったのです。言葉も、救いも、アドバイスも、そんなものは必要じゃなかった。友が語ってくれた言葉を私はずっと心にしまって、何かあるたびに引っ張り出してきます。

 

心友の言葉、ちょうどいい距離感を保つ

 

以下はそのとき心友からいわれた言葉です。

 

寒くて寒くてたまらないから、お互いの体を寄せ合って暖を取ろうとする。でも近づきすぎると互いの体を鋭い針で刺してしまい、血だらけになる。

 

だからハリネズミはお互いを傷つけないように温めあえる優しい距離を測る。そうして互いを思いやるちょうどいい距離で寄り添うことができる。

 

人もこういう距離が保てたら素敵だよね。
私たちもハリネズミだったら良かったね。

 

 

人は気づいたときから変われる

 

その出来事から数十年を経て、友と再び出会うことができました。そのときの私はハリネズミの距離をもう知っています。

 

ですから、わだかまりも、謝罪も、後悔の言葉も心友には必要ないことも知っていました。ただ笑って「元気?」挨拶を交わし、当たり前のように一緒にいる。それだけでいい。

 

その友は今でも私の心友です。

 

痛い想い、辛い過去は今を幸せにするための経験。