自分をご機嫌にするヒント

人生にはデコボコがつきもの。自分をご機嫌にする方法を見つけて、楽しく生きるヒントをご紹介。

雲の上の図書館

私が居住している四国の高知県。海と山と川と、自然豊かなところ。若い年代には田舎暮らしは退屈で、都会に憧れを抱くのかもしれませんが、アラカン世代になると、自然の中で心豊かに生活していくことが最高の贅沢にも感じられます。


ただ不満があるとすれば、書店や図書館などの施設が圧倒的に少ないことですね。本好きな私からすれば、憩いの場所が失われていく危機感があります。もともと数がないうえに、紙の本が売れない時代とあって、書店が相次いで閉店している現状は本当に切ない。

 

高知を知らない方のために、ちょこっとだけご紹介を。といっても知らない方が殆どでしょうが。四国には徳島・香川・愛媛・高知の4県があります。一番認知度が高いのは『阿波踊り』がある徳島、ついで『うどん県』香川ですかね。愛媛と高知はドングリの背比べであまり知られていないのが実情。我が故郷ながら、『坂本龍馬生誕の地』で知る人ぞ知る、的な感じは否めません。

 

高知の観光地といえば、月の名所桂浜、がっかり名所と汚名高きはりまや橋。高知の人間からいわせてもらえば、『はりまや橋』にまつわるお話しが聞かせどころなのであって、橋そのものにあまり意味はないのですけれど、ね。

 

いちばん熱いスポットは、昼間から飲み食いできる屋内屋台的な『ひろめ市場』と、日曜日に開催される青空市場『日曜市』でしょうか。名物は『カツオのタタキ』。魚が苦手な方が、高知で食べて好きになったと言われるくらい臭みがなくて新鮮なのです。

 

あとは皿鉢料理といって、大きなお皿に盛り付けた料理をみんなで食べるのが高知の文化。県外の方の中には躊躇される方もいますけれど、大勢でワイワイガヤガヤ楽しく酒を酌み交わすのは高知ならでは。知らない人ともあっという間に打ち解けて仲良くなれたりします。

 

忘れてはいけないのが、8月に開催される高知の一大イベント真夏のフェスティバル『よさこい鳴子祭り』。開催日は8月9日、10日、11日、12日。この日ばかりは町中に鳴子の音と『よさこい節』が大音量で流れます。きらびやかな衣装を身にまとった踊り子さんたち全員が主役。みんなこの日のために命をかけてます。

 

よさこい祭り 

 

よさこい祭りは高知が元祖なのですけれど、認知度としては北海道の『よさこいソーラン』が圧倒的に高い。全国各地で『○○よさこい』も開催されていて、今やよさこいは高知だけの文化ではなくなりつつあります。高知から全国に広がった、という見方もできるものの、元祖が一番知られていないという現状もあり、複雑な心境です。

 

今回、観光の穴場としてご紹介したいのは、高知県西部に位置する梼原町という山の上に出来た『雲の上の図書館』です。本好きな人にはもちろんのこと、そうでない方も楽しめる施設となっています。

 

高知県梼原雲の上の図書館

 

ぽつんと一軒家ならぬ、山の上のぽつんと図書館。木々の緑と空の青が絶妙なコントラストを醸し出していますよね。地の利を生かしたデザインも、なかなか粋なのではないかと思います。

 

この建物をデザインされたのは、建築家・東京大学教授である隈研吾(くまけんご)さんという方だそうです。正直、私は存じ上げませんでした。略歴によると、近作に根津美術館、浅草文化観光センター、長岡市役所アオーレ、歌舞伎座ブザンソン芸術文化センター、FRACマルセイユ等があり、国内外で多数のプロジェクトが進行中。新国立競技場の設計にも携わっておられるようです。

 

建築の資材には、梼原町のヒノキが使われています。外観もそうですが、施設の中はもっと木のぬくもりが感じられ、独特な作りとなっています。

 

雲の上の図書館

 

何とも独創的な構造ですよね。私もまだ実際に行ったことはなく、写真でしか見たことはありません。友人の何人かは実際に訪れていて、Facebookなどの投稿を読むと、ずっとこの場所にいられるといった感想が多く、行って損はないのではないかと思います。

 

ここは複合施設となっており、図書館の他にもいろいろ趣向を凝らしているようです。そのひとつにボルタリングコーナーがあります。

 

雲の上の図書館ボルタリングコーナー

 

イベント開催ができるステージなども設けられている『ゆすはらステージ』。どんなイベントが開催されているかは、HPのカレンダーで確認することができます。

 

雲の上の図書館ゆすはらステージ

 

たくさんの絵本が並べられている『キッズコーナー』。ラインナップも充実していて、子どもさんだけでなく、大人が見ても楽しめそうですね。

 

雲の上の図書館キッズコーナー

 

他にも色々なコーナーが設置させられていて、幅広い年代の人におすすめの場所と言えそうです。

詳細はこちらのHPをご覧ください。

雲の上の図書館

 

 

高知では昨今、純粋な書店が激減し、蔦屋書店などの複合型店舗に変わりつつあります。飲食店や雑貨など、本以外でも利益が見込める施設でないと経営が成り立たないのでしょうね。

 

確かにひとつの施設に様々な店舗が存在していると、見て回るには楽しいかもしれません。けれどもその分、本のスペースも限られてくるため、蔵書の数が少なくなってしまうのが、私としては残念なところ。とはいえ、書店が相次いで閉店に追いやられ消滅してしまうよりはいいのかもしれません。

 

雲の上の図書館に続き、高知の中心街にも大型複合図書館『オーテピア』がオープンしました。こちらは蔵書の数も多く、一日では回り切れないほどの規模を誇っています。中心地となる商店街の入り口にありますから、公共機関など交通の便もいいです。

 

オーテピアについてはまた別の機会にご紹介したいと思います。